青春のつづき

チョロオタの独り言

並行世界を生きたいか

ツイッターでおススメされている映画が気になって観に行った。

映画『パラレルワールド・シアター』公式サイト

 

もちろんオススメをされているツイートやブログを読んだのはもちろんだが

きっと一番私を引き付けたのはポスターの最初の3行

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届かなかった気持ち

叶わなかった夢

ありえなかった人生

 

パラレルワールド、並行世界

自分の今いない、「あったかもしれない」世界

私はその世界に何度も憧れてきた

違う選択をしていたら、今は違ったものになっていたかもしれない

ない未来に思いを馳せてしまうのは人のサガだろうか

 

夢を追い続けて、「 選ばれなかった未来」に憧れ、もう一度追いかける

同じことを、同じように頑張ったらそこに届く気がする

でもやっぱり「その時」に選択をしなかった

一見同じ世界でも

人の環境はかわり、人の気持ちは変わり、考えてみれば全く違う世界かもしれない

そしたら同じ未来を追いかけても、同じ結果は二度と来ないだろう

 

それぞれの思いが交差しながら、進んでいく物語

【成功させたい】という同じ目的を持っていてもその裏にあるものは

成功を今後につなげたい者、みんなで楽しく演劇をしたい者、あの頃を懐かしむ者

いろんな思いが駆け巡っていた。

一見交わってるように見えて、みんなバラバラだったのかな。

佐々木と中川さんのあの微妙な距離、感覚、雰囲気は独特だなあと思う

お互いが絶対的に必要なはずで、それをお互いにわかっているはずなのに

その先に進むことはない。いうこともない。

だけどああいう男女のかけがえのない存在ってなんとなく報われないよなあとか

そっと思ってしまった(笑)

まあそれもきっと「あの時」に選択しなかったからこその未来

「あの時」の選択を「今」したって同じ答えが、同じ未来が迎えられるわけじゃない

苦しいよなあ、人間いまのチャンスを逃したら同じ未来はないんだなあ

 

印象的だったのは、劇中劇の時間旅行をした時のこと

並行世界に移動したとき、そこには2人の自分がいることになってしまう

だから向こうの自分を殺さなくてはいけないということだった

私のAの世界に私がいて、移動した私のBの世界にだって私がいる。

ふつうに考えれば当たり前のことだけど、並行世界に移動することは考えるのに

その先の「自分」の存在はなかったことになる

そして、きっと元の世界の「自分」もいないものになる、永遠に

 

パラレルワールドに少し憧れていた

だって、今とは違う未来は想像したくなるでしょ?

好きなものがなくなった時には「知らなかった世界」に憧れる

嫌なことがあると「嫌なことがない世界」に飛んで行きたくなる

やらなくて後悔したことは「やった世界」に憧れる

最近だったら「エイトから離れていた時間のない世界」にだって憧れた

 

だけど、その憧れる違う世界に飛んだ時、

今の世界での私という存在は死ぬし、その先の世界の私も死ぬ

今の私が先の世界で生きるけど、なんか結局死んでない?

今の私というものが全ての中からいなくなってしまったらたとえ命があっても

死んでいるのと一緒じゃないだろうか

そしたら、私の好きだったものも、嫌な気持ちも、好きな人たちも

それまで大事に抱え込んできたすべての私の思い出と感情が死んでしまう気がした

 

ありもしない時間旅行を考えて私は一人でゾッとした。

 

だからこそ「今」を大事にして、1秒先の未来を刻んでいきたいと思った

二度と同じ選択をして、同じ未来は来ないからこそ、その時その時の選択は大事で

だけど同じ未来はなくても、またそのさきの選択でいくらでも未来は変えられる

それが自分の思い描いた未来とは違っても、それはそれでいいと思っていきたい

 

佐々木が本公演をやると「決めた」世界と「決めなかった」世界

佐々木が本公演を中止すると「決めた」世界と「決めなかった」世界

もっと戻ってみれば

佐々木が中川さんと「いたはず」未来と「いない」未来

 

この物語にはたくさんの可能性があった

人が色々な選択をして、出来上がったそのなかのひとつの未来の話だと思った

 

箱を開けるまではどんな可能性も秘めている未来

選択をしたらもう戻れない未来

 

ひとことでいえば、とてもおもしろかった!

きっと観れば観るだけ違うことが発見できる未来があるはず!